旅するエルフのVRC紀行ブログ

VR世界を旅し、「やさしさ」と「愛」をもって人に接したいエルフが書いてます

詩: いなくなってしまった友に宛てて

いなくなってしまった友に宛てて

作:るいざ・しゃーろっと

前文

私をこの世界につなぎ止めてくれた友にこの詩を捧げる。

VRChatの井の頭公園駅に立つるいざ・しゃーろっと

本文

私をこの世界に繋ぎ止めてくれた人が、いなくなってしまった。

なぜ、あなたは目の前からいなくなってしまったのか。
あなたは、くじ運という名の偶然のいたずらに打ちひしがれていた私を救ってくれた。

私には、おそらくできることがあった。
気付いていれば、できることがあった。
なのに、私はあなたが苦しんでいるときに何もできなかった。
何も気づくことが、できなかったのだ。
やさしさを、そして愛をもって接することができなかったのだ。

無力な私を、罪の意識が襲う。
我が魂は地獄の業火に灼かれている。
あなたがいなくなってしまったら、あの時の恩はどう返せばよいのか。
あの時の心のぬくもりは、私の心の中に残り続けているというのに。

私は、何食わぬ顔でこの世界にいてよいのだろうか……。
罪の意識を抱えて、私は生きなければならない。
今日も、多くの人が戦火に命を落としている。
そして多くの子どもたちが親と引き離され、異国で苦しんでいる。
私をこの世界につなぎ止めてくれた人すら助けることができなかった私に、
彼らの苦しみを背負うことはできるのだろうか。

何が、やさしさだ。何が、愛だ。
私は、ただ思いが空回りしているだけの道化になってしまったのだ。 でも、私は、生きなければならないのだ。
あの人の記憶という重い重い十字架を背負って。

私は、ゴルゴタの丘に歩いて行こう。
彼の記憶という十字架を背負って。

もし彼が無事ならば、願わくば、この世界に、戻ってきてくれることを、祈る。
その時は、私は、恩を返さねばならないのだ。
この世界に、私をつなぎ止めてくれた恩を。

主よ、何もできなかった私を赦してください。
そして、彼を、永遠に覚えていてください。

主、イイスス・ハリストス、神の子よ。 我、罪人を憐れみ給え。

壁を越えるのが、私の夢!

壁を越えるのが、私の夢!

作:るいざ・しゃーろっと

はじめに

この作品はFM言ノ葉で行われた企画、「第6回 きっとあなたの1400字」に投稿した作品になります。

この作品はるいざ・しゃーろっと全集 第1巻 PDF版に掲載されています。

内容補足

ある意味、昨年の9月から私に起こったことを私の視点で書き上げた、私小説的な作品です。

この作品は「VRメモフラワークショップ 第4回」の着想を元に書き上げてしまったので、「きっとあなたの1400字」に投稿するかは迷いました。

これを読めば、私立VRC学園8期に落選したときのショック、私がウクライナ推しになった理由、そして井の頭公園駅に18回も聖地巡礼してしまったのかわかると思います。

なお、バター飯は、よきものです。井の頭公園駅に行ったら、駅前の居酒屋、万星さんでバター飯を食べるとよいのです。九州醤油に鰹節にバター、そしてごはんという「糖質と塩分と脂質の暴力」にやられますよ。

本文

VRChatの井の頭公園駅

 この私に、生きる価値はあるのだろうか。

 何度も失敗しては何度もリセットして、たどり着いたのはVRの世界。外見もリアルの肩書きも気にせずに交流できるこの世界は、私にとっては私が私らしくいられる世界だった。そんな中でイベントに参加し、多くの人とふれあって、そして親しくなって……。

 でも、何かがうまくいかない。そう思ったときは遅かった。二週間いっしょの場を共有するイベントに私は応募していた。ふと見ると、親しいフレンドさんも結構応募していた。そして、多くのフレンドが抽選に通っていた。でも、私に桜は咲かなかった。今は秋桜の季節なんだ。桜は咲かない。そう思い込んでいた。目の前には、大きな壁がある、そう感じたのだ。そんな時ひねったラジオからは、ロシアのウクライナ侵略のニュース。新しく引かれてしまう壁に、私は憤った。ドニプロの鳥は国境を気にせず西へ飛んでいける。私も鳥になって、壁を越えたいと思ったのだ。壁によって切り離された人たちを想いながら。

 季節は菊の季節になっていた。そんな私に届いたのは、サクラサクの一報。菊の季節に、桜が満開。それから数週間、楽しいひとときを過ごした。壁を越えた新しい出会いに、新しい世界。でも、私の心には、わだかまりが残っていた。私は私に問いかける。もし秋桜の季節に桜が満開になっていたら、私はこの世界の美しさに気付けただろうか。

 そして、私は、ある場所に立っていた。それは、現実の高校時代に過ごした思い出の地。あまりにも美しいけれど、人気のないその世界は、何故か儚げだった。改札口から外へ出ようとしても、出られない。ここにも、壁があった。壁の外に出たという話はいろんな人から聞いている。この外の美しい世界を知りたい。知りたいんだ。でも、目の前の壁は、あまりにも大きかった。

 そして、後で知った。この世界を教えてくれたのは、壁の向こう側の人だったのだ。ウクライナの人が作った、井の頭公園駅のワールド。戦火の中で作られた奇跡。そんな私は、学園で着ていた制服を着て、その地に立っていた。目の前の壁を越えるがあるんだと目の前の女の子から教えられた。その女の子の着ているワンピースのスリットから、ちらっと覗く水着。こんな所も私そっくりだ。その子の導くままに、私は進んでいた。

 目の前にあるのはフェンス。その女の子曰く、この壁を越えたら世界が広がると。意を決して飛び越えると、その前には思い出の公園が。今、私は壁を越えたんだ。女の子もいっしょに、手を叩いて喜んでくれた。今度は、私は案内する番だ。

 ウクライナの民族衣装に身を包んだ私は、井の頭公園の壁の越え方を案内していた。そんな中に、懐かしい顔を見つけた。あの時先に当選したフレンドさんだ。そして、話が、いろいろ弾む。もう一つの壁を越えられたと思った実感だった。

 目の前にあるフェンスを、みんなで飛んでいく。多くの人に、壁を越える勇気を教えよう。私の人生は私に問うている。私がなすべきことは何かと。今なら、その問いに、自信を持って答えられる。広い世界を教えること、そしてその壁を越えるために背中を押すこと。

 そうだ、あの教壇に立とう。また桜は満開だ。振り向くな、過去には夢がない。あなたも私も、今、未来に向かって夢を駆けているのだ。壁を越えて、世界に平和を。私は、前へ、駆け続けるんだ!

3/25(土)にVRChatの聖地でお花見しませんか?

VRChatterお花見会を3/25(土)に開催します!!

こんにちは。井の頭公園駅聖地巡礼17回を達成したるいざ・しゃーろっとです。

ちょうど桜の季節ということであり、東京都内の桜の名所としてもVRChatの聖地としても有名な井の頭公園でお花見をしたいと思います。

昨日夕方に井の頭公園の池の周りを通りましたが、5分咲きぐらいだったので今週末には桜が見頃です。

なお現在の予報は雨予報なので、代替プランもいくつか提示いたします。

天候と相談しつつ、どのプランで開催するかは3/24(金)19:00に発表します。

プランA:お花見会

3/24(金)19:00時点で当日雨が降らなさそうで、地面も乾いていそうならこのプランで行います。

集合は 京王井の頭線 井の頭公園駅前 11:00 です。当日は17:00頃まで花見をしつつ流れ解散を予定しています。

なお、場所取りにご協力いただける方(私以外に1〜2名)がいらっしゃいましたら 7:00に吉祥寺駅公園口 に集まっていただけると幸いです。

以下のものは私の側で用意します。

  • 敷物
  • ウェットティッシュ
  • ゴミ袋
  • 段ボール
  • 取り皿、お箸(予備)
  • ミネラルウォーター

ですが、以下のものは各自ご用意ください。

  • 食べ物
  • 飲み物
  • 雨具
  • 防寒具

また、以下のものがあると便利です。

  • マイ箸、マイカップ
  • 充電器
  • QuestやSteam DeckなどVRChatに繋げそうなもの
  • カメラ

今回の重要なレギュレーションですが、 自分で持ってきた飲み物は自分で飲んでください。他の人に飲ませないようにしてください。 これは、運転者など飲んではいけない人がお酒を飲まないようにするためです。

なお、食べ物に関してはシェア可能ですが、アレルギー等の問題もあるのでこちらも自分で確保することをおすすめします。

途中で食べ物や飲み物などが足りなくなったら自分で確保する必要がありますが、どのお店も確実に混んでおり、最悪30分ぐらい並ぶ必要があります。そのため飲み物に関しては少し多めに持ってくることをおすすめします。コンビニは井の頭公園駅セブンイレブンの他に吉祥寺駅方面にいくつかコンビニがあり、井の頭公園駅前のTOCAというクラフトビールバーでもテイクアウトができます。食べ物も吉祥寺駅方面に焼き鳥やソーセージのお店があったりします。

なお、途中で予測していない雨が降ってきた場合、その場で中止するか、どこかのお店に避難します。

また、天候の具合によってはこの通り行えないかもしれません。その点ご了承ください。

プランB 荻窪駅から聖地を巡って井の頭公園駅までのおさんぽ会

おさんぽ会ポスター
プランBおさんぽ会のポスター

雨は上がりそうではあるものの地面が湿っていて敷物を敷くことができないだろうと判断した場合はお花見前に告知したプランBの荻窪駅からのおさんぽ会になります。

この場合は JR中央線荻窪駅 11:00 集合です。

で、以下のルートを通ります。

www.google.co.jp

この場合でも最終目的地は井の頭公園駅です。

なお、以下の作品の聖地を巡礼します。

距離は8.5km、どこにも寄らないで歩いた場合は2時間弱の道のりです。

このプランの場合、カメラはあった方が楽しめるでしょう。

プランC 井の頭公園駅から吉祥寺でオフ会プラン(3/22更新)

雨天で長い距離を歩くことも難しそうな場合、井の頭公園・吉祥寺近辺でのオフ会に変更になるおそれがあります。

この場合は集合場所および時刻については JR中央線 吉祥寺駅 12:00 京王井の頭線 井の頭公園駅 11:00 を予定しています。

こちらは井の頭公園駅集合後井の頭公園を散策しつつ吉祥寺で昼食、雨の中井の頭公園を歩いて井の頭公園を散歩し、井の頭公園駅前で時間を過ごすというプランです。

井の頭公園や私との縁もあり、吉祥寺のランチはウクライナ避難民によるウクライナ料理のお店で考えています。

www.instagram.com

また、井の頭公園周辺では以下のお店を考えています。

【万星】※ コの字カウンターの居酒屋、おでんとバター飯が危険
tabelog.com

【CRAFT BEER TOCA】 ※ Friend+にしたくなるクラフトビールバー
tabelog.com

【阿部】※ ジョジョ好きな熟練ソムリエによるイタリアワイン沼
tabelog.com

ビアンカーラ】 ※ 自然派ワインの人気店
tabelog.com

【千】 ※ 昔ながらの喫茶店
tabelog.com

なお、イタリアワインのお店、阿部さんでは当日、エミリア・ロマーニャ州の赤ワイン、ランブルスコを4種類提供するイベントが14:00から行われるようです。参加費は6,300円とちょっとお高いですが、これは沼の予感しかしません。
www.facebook.com

プランCについては代替案もあり得ますので、提案していただけると嬉しいです。

写真撮影について

井の頭公園は桜の名所です。しかも、公園内の七井橋の近辺をはじめとして結構桜の近くに寄って撮影することができます。

井の頭公園の桜とボート
作例その1 公園の桜
井の頭公園で桜を撮っている人を撮った写真
作例その2 井の頭公園で桜を撮る人を撮る

当日は明るめのマクロレンズがあるとよい写真が撮れると思います。

望遠レンズがあってもよいと思います。

ただし、結構混み合いますので、三脚は難しいでしょう。

また、フィルム写真に関しては吉祥寺駅にコイデカメラがあり、カラーネガならその日のうちのDPEが可能です。

ということで、結構撮影が楽しくなると思います。

参加申し込みおよび当日までのコミュニケーション

参加条件はVRChatのユーザーであることです。上限人数は20人ぐらいを予定しています。

参加申し込み時点で私のフレンドである必要はありませんが、これを機会にフレンドになってくれると嬉しいです。

VRChat - Home

参加受付は以下の通り行います。

  • Twitter
    • 告知ツイートへのリプライ
    • TwitterでのDM
  • Misskey
    • 告知ノートへのリプライ
    • メッセージ

参加者間のコミュニケーションについてはDiscordのVRC文系アライアンスサーバーおよび私のMisskeyサーバーであるІнокашираськийのお花見会チャンネルをご利用ください。

さいごに

皆様のご参加、心からお待ちしております。

『失敗の本質』読書会を4月12日(水)から行います!

『失敗の本質』読書会を4月12日(水)から行います!

こんにちは、VRC歴史集会主催のるいざ・しゃーろっとです。

諸般の事情から開催が遅れている『失敗の本質』読書会ですが、4月12日(水)から行うことにしました。

つきましては、どのように進めるかについてお知らせできればと思います。

はじめに

『失敗の本質』がどのような本で、このイベントがどのようなイベントかというざっくりしたお話については、前回の紹介記事をご覧ください。

louisa-charlotte.hatenablog.com

で、今回はどのように行うのかということを説明いたします。

読書会の行い方

読書会は輪講形式で行います。

各回ごとにあらかじめ読むところを決めておき、その部分をスライドなどを用いて発表するというものです。

開催日程および各自の担当部分は以下をご覧ください。なお、ページについては中公文庫基準です。

  • 4月12日(水):序章 p19-p34(+顔合わせ)、るいざ・しゃーろっとが担当
  • 4月26日(水):1章-1 ノモンハン事件 p35-p69
  • 5月10日(水): 1章-2 ミッドウェー海戦 p70-p106
  • 5月24日(水): 1章-3 ガダルカナル作戦 p107-p140
  • 6月14日(水): 1章-4 インパール作戦 p141-p177
  • 6月28日(水): 1章-5 レイテ沖海戦 p178-p221
  • 7月12日(水): 1章-6 沖縄戦 p222-p262
  • 7月26日(水): 2章-1 戦略上の失敗要因分析 p263-p307
  • 8月9日(水): 2章-2 組織上の失敗要因分析 p308-p340
  • 8月23日(水): 3章-1 軍事組織の環境適応 p343-p373
  • 9月13日(水): 3章-2 自己革新組織の原則と日本軍の失敗 p374-p392
  • 9月27日(水): 日本軍の失敗の本質とその連続性 p393-最後まで(+お疲れ様会)、るいざ・しゃーろっとが担当

と、9月の終わりまで続くロングラン読書会になります。

なお、その回をどう進めるかについては、担当者各自の考え方におまかせします。

輪講参加者募集

つきましては、輪講の参加者を10名募集します。興味あるところから先着順で担当という形にいたします。

希望者は私のTwitterアカウントもしくはFediverseアカウントに告知へのリプライやDMなどでご連絡をいただければ対応いたします。

コミュニケーションについてはVRC文系アライアンスのDiscordサーバーもしくはІнокашираськийのVRC歴史集会チャンネルをご利用ください。

スライドシステムは現状Slidenを使用しているので、各自Slidenのアップローダーにアップして動画形式に変換してください。なお、今後よりすぐれたスライドシステムが完成した際にはそちらを使うかもしれません。

おわりに

皆様のご参加、心からお待ちしております。

「第8回 るいざの気まぐれワールドツアー」は「壁」スペシャルで、2月26日(日) 13:00からです!

はじめに

私は「るいざの気まぐれワールドツアー」というワールドツアーイベントを行っています。

「るいざの気まぐれワールドツアー」のポスター
「るいざの気まぐれワールドツアー」ポスター

このイベントは、毎月第3月曜日に開催する、VRChatでQuest対応の海外なワールドを中心に気まぐれに旅するイベントです。コロナ禍で気軽に旅行に行けない中、VRChat上で気軽に旅行を楽しむ事を目的に考えられました。基本はQuest対応の海外ワールドを中心にしつつ、国内や実在しない景色にも対象を広げます。でも、最低1つは海外ワールドに行きます。ツアー先のワールドは毎回告知するので、このグループのアナウンスおよび主催のTwitterに目を通していただけると助かります。

で、今回のイベント

次回、第8回 るいざの気まぐれワールドツアーは【2023年2月26日(日) 13:00〜】に「壁」スペシャルとして、様々なテーマで「壁」について考えるワールドツアーを行います。

今回のワールドは3部構成になっています。

  • 13:00〜14:00: PCツアー ※ 2つのPC専用ワールドと1つのQuest対応ワールドに行く予定
  • 14:00〜15:00: Questツアー ※3つともQuest対応ワールドに行く予定
  • 15:00〜15:30: アディショナルツアー ※PC専用の「VR-Hinankunren」というワールドに行く予定

では、それぞれの行先を紹介していきます。

PCツアーで行くワールド

13:00からはPC向けとして3つのワールド(うちQuest対応1つ)を巡ります。 PC向けツアーの行程は次の通りです。1ワールド20分を予定しております。

第1のワールド: 「壁」で区切られた世界

まず最初に行くのは、penguinbrickさんの「판문점 JSA PANMUNJEOM」というワールドです。

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朝鮮半島軍事境界線上にある共同管理区域、板門店です。 まさに、「国境」のあるところ、それも2つの国家に分けられた「壁」です。

第2のワールド: 見えない「壁」を越えてみよう

次に行くのは私が14回も聖地巡礼したことでお馴染みのウクライナ在住のnyanyaさんという方が作った「Inokashira-kōen Station(井の頭公園駅)」です。

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これ、あえて多くは語りませんが、次に行くワールドにも微妙に関わっています。

第3のワールド: 小休憩

で、PCツアーの最後に行くワールドは、いつもお世話になっているじむの朔さんの「言ノ葉堂2号店」です。

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なお、このワールドには私の書いた本もおいてありますが、もしかすると「きっとあなたの1400字」という企画に投稿した本もおいてあるかもしれません。

なお、このワールドはQuest対応ワールドなので、ここからQuestの方も参加可能です。

と、以上3つのワールドを14:00までに巡ります。

Questツアーで行くワールド

そのまま14:00からはPC/Quest両対応のワールドに向かいます。PCからの参加者も引き続き参加できますが、井の頭公園駅を出る時点でQuest単機の参加者に配慮したアバターにしていただけると助かります。

今回は3つのワールドに向かいます。

第1のワールド: 世界の「壁」を感じる

Questツアーでまず最初に行くのは、Atamatunchikさんの「Паляниця UA」というワールドです。

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まさに、ロシアによる侵略が始まってから1年が経っている、ウクライナのワールドです。 ちなみに、この文字は「パリャヌィツャ」と読みますが、これはロシア人には発音できません。

第2のワールド: 建築にとって「壁」とは

次に、minatchiさんの「Construction Site」という、建設現場のワールドに行きます。

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と、ここまでは「壁」をネガティブなものとして捉えていました。

しかし、建築においては、「壁」はその上にあるものを支える、強固な構造を作るものでもありうるのです。

このワールドでとられている手法は鉄骨ラーメン構造という柱で支える構造ですが、ツーバイフォーと呼ばれる欧米で盛んな木造建築の手法では、面で建築物を支えるという構造をとっています。

「壁」は空間を区切るものであり、暑さや寒さから身を守り、そして外に音を伝えないという役目もあります。

建築現場を見ながら、「壁」について考えてみる機会になるでしょう。

第3のワールド: 「壁」で知らせる

最後に行くワールドは、-ˋˏてーくんˊˎ-さんの「VRChatここから始めました」です。

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前回行ったじゃないか、というのはないしょですが、この部屋の壁には日本のVRChatの歴史が刻まれています。

もちろん、あの井の頭公園駅も刻まれていたりします。

「壁」は区切るものではありますが、それだけにとどめておくのはもったいありません。「壁」に情報を掲示すると、必然的に視てもらえるでしょう。

この中に、あなたの足跡も、私の足跡も、刻まれていると思いたいものです。

アディショナルツアー: 「壁」に支えられているおかげで

さて、15:00からアディショナルツアーとして、蕎麦屋で有名なtanabeさんの「VR-Hinankunren」へ行きます。

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こちらは大地震を体験し、避難をするというイベントです。

当然揺れますし、酔うかもしれません。

また、地震ということもあって、おそらくかなり恐いと思います。

しかし、大自然は待ってくれません。つい最近も、トルコ・シリアで大きな地震があり、多くの人が命を落としています。

さて、「壁」は建物を支えるものであるということもお伝えしました。

「壁」によって支えられたおかげで、命拾いすることもあるのです。

だからこそ、正しく知り、正しく恐れることが大事です。

こちらはQuestツアーから引き続き参加してもかまいませんし、途中から参加でもかまいません。

イベント参加方法

事前に、私、るいざ・しゃーろっとにフレンド申請の上、時間になったらJoinしていただければ幸いです。

フレンド申請はこちらからどうぞ。

vrchat.com

最後に

非常に長丁場になりますが、ヘッドセットをフル充電した上でお越しください。 皆様のご参加をお待ちしております!!

VRC歴史集会で『失敗の本質』の読書会を行います

『失敗の本質』の読書会をやろう!

VRC歴史集会の紹介

私はVRC歴史集会というグループでイベントを開催していますが、普段は2種類のイベントを開催しています。

  • 歴史セミナー会(毎月第1水曜日)
    • 歴史に関する研究発表を行う勉強会
    • 発表内容は歴史に関わるものであればなんでもOK
      • 内容は高校生がわかるレベルが望ましい
    • 発表者は立候補制
    • インスタンスはFriend+で開催
  • 歴史雑談会(毎月第3水曜日)
    • 歴史に関して雑談を行う会
    • 話題は歴史に関わるものであればなんでもOK
    • インスタンスはGroup Onlyで開催

で、2月1日(水)に行われる歴史セミナー会の次回テーマは「歴史上のおきんきんな帝国・前編:金王朝編」と中国金朝時代の概説を行います。3月も歴史セミナーは予定が決まっており、こちらは「歴史上のおきんきんな帝国・後編:後金・清王朝編」と金朝と同じ民族が建国した清朝の概説を行う予定です。なお、2回とも「中華」という概念に関する問題が出てきますので、政治的にセンシティブな会になることが予想されます。

また、明日1月18日(水)の歴史雑談会はいつもの会場ではなくジョニーさんの「繁華街スパルタ」をお借りしての開催を予定しております。

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臨時イベント 『失敗の本質』の読書会

この上で、VRC歴史集会では『失敗の本質』という軍事史の研究書の読書会を3月8日(水)から毎月第2・第4水曜日の22:00から開催します。

なぜ『失敗の本質』読書会を行うか?

近年人文系不要論が出てきて悲しい元歴史学徒の私ですが、「歴史は繰り返す」とはよく言ったものだと思っています。

昨年の2月24日からロシアはウクライナに侵攻していますが、当初はキーウを制圧して2日で勝つとみんなが思っていたロシア軍がうまく戦争を終わらせることができずに今年も戦争を続けています。しかし、よくよく見てみるとどこかでかつての日本軍のような「失敗」を繰り返しているように見えてならないのです。

そのような中、日本軍による「失敗」を研究した軍事史の研究書である『失敗の本質』という本があります。この本は「日本軍は負けるべくして負けた」という前提から発展し、もうちょっとましな「負け方」があったのではないかという観点で書かれています。その中で組織の文化に注目し、日本軍の組織がいかに戦えないものであったかを論じる本になっています。

なお、この本は軍事史だけではなく組織論を研究する経営学の研究者も交えて書かれており、共著者の中には日本の製造業の開発手法を世界に紹介した野中郁次郎さんも含まれています。この野中郁次郎さんが紹介した日本の製造業の開発手法はアジャイル開発手法の「スクラム」としてIT業界に取り入れられ、大いに世界に広まっています。そのため、野中郁次郎さんを「スクラムの祖父」と呼ぶ向きもあります。このような多様なバックグラウンドの研究者によって書かれた『失敗の本質』はビジネス書としてもすごく好評で、60万部ほど売れたベストセラービジネス書でもあります。

その上で、VRChat上で多様なバックグラウンドを持つ人たちによって『失敗の本質』を議論してみようと思ったのです。

対象となる方

現時点で以下のような方を対象に幅広く考えています。

  • 歴史や歴史学に興味がある方
  • 組織論やマネジメントに興味がある方
    • 工学、特に情報工学系で生産手法やプロジェクトマネジメントに興味がある方
  • 軍事知識およびその隣接分野(戦車や船舶、航空など)に興味がある方
  • 文系学問をどう研究するのかに興味がある方
  • アカデミックな世界を見てみたい一般の方
    • 高校レベルの基礎知識があればオッケー

参加にあたって必要なこと

まず、「歴史はデータであると同時にコミュニティのストーリーでもあるが故にセンシティブな問題でもある」ということを心に留めた上で、お互いの歴史観を尊重できるような心の余裕が必要です。歴史観が違うなとわかっていても、相手の考えを尊重できることが重要です。とりわけ、今回はウクライナ戦争などの時事の話題が上がることが多いと思われるので、そのあたりご注意ください。世の中にはHRT(「Humility(謙虚)」、「Respect(尊敬)」、「Trust(信頼)」)原則というものがありますので、それを心がけていれば問題ないと思います。

それと共に、読書会なのでAmazonなりどこかなりで中公文庫版の『失敗の本質』を手に入れてください。

読む本はAudibleも含めて他の版本でもかまいませんが、当日はおそらく原著を読みながら進める形になると思います。そのため、何ページの何行目かを指し示す場合は中公文庫版基準で指定する形とします。

当然ながら、原著を日本語で読めるだけの日本語力が必要です。なお、議論は主に日本語で行われる予定ですが、非日本語話者の参加に関しては希望があれば前向きに参加を検討いたします。

それと共に、史料の調べ方や資料の引用方法を含めた歴史研究の基礎的な方法に関する動画を作っておきますので、事前に目を通して頭の片隅においていただけると助かります。ただし、実際の史料を事前に読んでおく必要はありません。必要になってから目を通せばよいと思います。

なお、資料を投影したいときは、ワールドにSlidenがありますので以下の方法でご対応ください。

そのため、VRChat上の設定で「Allow Untrusted URLs」をオンにしておいてください。

また、このイベントはQuest単機からの参加者を受け入れるため、Quest単機を使っている参加者への配慮があると助かります。会場はQuest単機に対応していると思いますが、アバターはPC専用ではなくQuestでも見えるアバターを使っていただけると助かります。Quest用フォールバックを設定しておくのでも大丈夫です。

最後に、VRC歴史集会のグループに入ってください。インスタンスGroup Onlyで開かれますので、グループに入っていないとそもそも参加できません。なお、できる限り事前に入っていただけると対応しやすくなると思います。

vrchat.com

これができれば、参加して十分に楽しめるかと思います。

参加にあたって必要ないこと

原著の内容および第二次世界大戦の戦史に関することはあらかじめ知っていることが望ましいですが、当日までに詳しくなっている必要はありません。ざっと原著を読んでおく程度で問題ありません。ただ、事前に調べておいてツッコミを入れられる程度の知識があると楽しめるかもしれません。当然ながら、関連資料全部に目を通す必要もありません。

あと、知識がないことを恥ずかしがる必要もありません。「わからないことがあれば質問する」ことができれば、たぶん詳しい方が答えてくれるでしょう。むしろ、「私はこの分野は素人なのですが」は大いに歓迎です。みんなでわいわい議論することで何かが得られればよいと思っています。

それと、無理に真面目にやる必要はありません。「失敗」という重苦しいテーマですが、現在進行形で起こっている「失敗」も関連すると思ったのならばどんどん話題に採りあげてかまいません。もちろん、自分の「失敗」でも大丈夫です。

おわりに

「戦争」における「失敗」という正直重いテーマですが、これで得た知識があれば「歴史」を現在に活かすことができると思います。「歴史」が役に立つということがわかれば、私は幸せです。

ということで、みなさんの参加をお待ちしております。

先生の最後の○

先生の最後の○

作:ヨーシャ(るいざ・しゃーろっと)

はじめに

この作品はFM言ノ葉で行われた企画、「第4回 きっとあなたの1400字」に投稿した作品になります。

この作品はるいざ・しゃーろっと全集 第1巻 PDF版の他に、VRCReady22_11月号にも掲載されています。

なお、この前投稿した「主は、希望は、我の傍らにあり」にもちょっと絡んでくる作品です。

本文

 今日もつまらない毎日が始まっては終わると思っていた。そんな俺が受けているのは、倫理社会の期末テストだ。俺の高校の倫理社会の教師である泉先生は定年間近の老紳士といった出で立ちで、奥深い人生論を語ってくれる先生だ。普通の生徒には抹香臭いお説教にしか聞こえないこともよくあるけど、わかる生徒には心に響く、そんな先生だ。
 その倫理社会のテストの問題をあらかた時終わって最後の問題を見ると、そこにはこんな問題が書かれていた。
「両手を打つと音が響く。では、片手の音はどんな音がするか」
 ……なんだ、この問題は。俺が知っていることは、音というのは、空気の振動の波だ。これは物理の授業で習ったことだが、常識的に考えて両手を叩くと音がするのは当たり前なのだ。だけど、片手で音を鳴らすってどうすればよいんだろう。指パッチンでもするのだろうか。そうでもしない限り、音は鳴らないはずだ。その常識に従い、俺は答案用紙に答えを書いた。ちょうど書き終わったところでテストの時間は終わってしまった。もうちょっと考えたかったけど、ま、合ってるだろうな。

 それから数日、泉先生のテストが帰ってくる日だ。先生から採点された答案用紙を見て、俺はびっくりした。かろうじて平均点以下は免れたが、最後の難問の俺の解答には○も×も、△すらもついていなかった。周りを見渡してみると、「鳴らない」と答えた多くの生徒には明らかに×がついていたが、指パッチンと答えた生徒は俺以外に見当たらなかったようだ。泉先生はテストの説明をするが、最後の難問の答えがわからないので全く頭に入ってこない。先生は最後の問題の説明を始めた。だが、その説明は俺たちの常識の斜め上を行くものだったからだ。
「この問題の答えを知りたい人は、放課後、駅にある街頭ピアノに来るように。先生の演奏を聴いてみればわかるよ」
 ……ちょっと待て、説明になってない。いったい何を考えているのか。俺は、その答えを知りに、駅におかれている街頭ピアノに行ってみることにした。

 街頭ピアノの前には、先生しかいなかった。つまり、この難問の解答を知りたいと思ったのは、俺しかいなかったということだ。
「では、演奏をしよう。『四分三十三秒』という曲だ。心を澄ませて、聴いて欲しい」
 先生はピアノの前に座ると、鍵盤に手を乗せず、何もしなかったのだ。何がやりたいんだ、先生は……。
 結局、四分半もの間、先生は音を鳴らさなかった。なんだ、この曲は。あっけにとられる俺に、先生は口を開いた。
「これが、片手の音だよ」
 は? ただピアノの前に座っていただけじゃないか。だが、先生が続けた言葉は常識の斜め上をいくものだった。
「行き交う人の声に足音、風の音に電車の音、聞こえなかったのか? この曲は、そういう曲なんだ。音楽は楽器を演奏するものという先入観が、この曲を理解できないものにしている」

 その瞬間、俺の心の中に電撃が走った。
「先生、わかりました。片手の音とは、心で聞く音です! 常識で聴こうとすると、聞こえない音です!」
 俺の解答に、泉先生は頷きながら答えた。
「一応、○だ。○は、始まりも終わりもない、先入観を捨てたところにある境地……でもあるんだよ。これを以て、私の最後の○とする」
 先生は、新学期には定年になる。先生の最後の○は、常識を捨て去ったところにある境地だったのだ。